年収の壁 完全ガイド 2026年版
|103万→123万円に引き上げ後の最新情報
2025年分(2026年3月申告)から基礎控除58万円・給与所得控除65万円に引き上げられ、「103万円の壁」が「123万円の壁」に変わりました。 パート・副業・フリーランスに関係する5つの壁(106万・123万・130万・150万・201万円)を最新税制で完全解説します。
📌2025年税制改正のポイント:「103万円の壁」が「123万円の壁」に
- ▶基礎控除:48万円 → 58万円(+10万円)
- ▶給与所得控除(最低額):55万円 → 65万円(+10万円)
- ▶合計:103万円 → 123万円(+20万円)
- ✕130万円の壁(社会保険):変更なし
- ✕106万円の壁(社会保険加入):変更なし
- ✕150万円・201万円の壁(配偶者控除):変更なし
※ 2025年分(令和7年分)の確定申告(2026年3月期限)から適用。 社会保険(130万円・106万円)の壁は国・健保・年金の管轄で別途判断が必要。
🗂️年収の壁 一覧早見表(2025年分)
| 年収の壁 | 種類 | 超えると何が変わる? | 影響を受ける人 | 2025年改正 |
|---|---|---|---|---|
| 106万円 | 社会保険 | 勤務先の社会保険に加入義務(51人以上の企業) | 中〜大企業のパート・アルバイト | 変更なし |
| 123万円 ⭐ | 所得税・住民税 | 所得税・住民税がかかり始める(旧:103万円) | 全パート・副業・フリーランス | 103万→123万 引き上げ |
| 130万円 ⚠️ | 社会保険 | 配偶者の扶養から外れ、国保・国民年金に加入(年30〜50万円増) | 配偶者の社会保険扶養に入っているパート | 変更なし |
| 150万円 | 税金(控除) | 配偶者特別控除が段階的に減少(38万→36万→…) | 配偶者(扶養者側)の税負担が増え始める | 変更なし |
| 201万円 | 税金(控除) | 配偶者控除・特別控除がゼロになる | 配偶者が共働き化する際のターニングポイント | 変更なし |
🔍各壁の詳細解説
106万円の壁
社会保険加入の壁(一部事業所)
従業員51人以上(2024年10月〜)の事業所でパートが社会保険加入義務を負う年収の目安
- ・週20時間以上の勤務
- ・月額賃金88,000円以上(年間約106万円)
- ・2ヶ月超の雇用見込み
- ・学生でない
健康保険・厚生年金に加入 → 保険料天引きで手取りが減るが、将来の年金が増える。扶養者の扶養から外れるかどうかはまた別の判定。
超える場合は収入をさらに増やして保険料を早めに回収するか、勤務時間を調整して週20時間未満にとどめる。
123万円の壁
所得税・住民税がかかり始める壁(2025年改正後)
給与収入が123万円を超えると所得税・住民税がかかり始める(2025年分から。旧:103万円)
- ・基礎控除:58万円(2025年分から 旧48万円)
- ・給与所得控除(最低額):65万円(2025年分から 旧55万円)
- ・合計123万円まで非課税(旧103万円)
- ・住民税は所得割43万円・均等割5,000円が別途かかる
年収123万円超から所得税が発生。配偶者に「扶養控除対象配偶者」として認定される上限も変わる(配偶者控除の適用は本人の収入が123万円以下の場合)。
所得税は累進課税で123万円を少し超えても税額はわずか。収入が増えれば手取りも比例して増えるため、「123万円の壁を1円でも超えると損」は誤解。
130万円の壁
社会保険の扶養から外れる壁(主に専業主婦・パート)
配偶者の健康保険・年金の扶養に入っている場合、年収130万円以上で扶養から外れ自分で社会保険に加入する必要がある
- ・被扶養者の年収が130万円(月収108,334円)以上で扶養認定取消
- ・国民健康保険+国民年金の保険料が年間約30〜60万円増加
- ・106万円の壁に該当する場合は130万円より先に社会保険加入
- ・2025年改正では変更なし(税の123万円とは別の話)
最も注意が必要な壁。年収130万円を少し超えると社会保険料が年間30〜50万円増え、一時的に手取りが大幅減になることがある。
年収125〜145万円の「逆転ゾーン」が特に注意。この範囲では収入増加分より社会保険料増加分が大きくなりやすい。145〜160万円以上になると手取りが回復してくる。
150万円の壁
配偶者特別控除が逓減し始める壁
配偶者の年収が150万円を超えると、配偶者特別控除の金額が段階的に減少し始める
- ・配偶者年収123〜150万円:配偶者特別控除38万円(最大)
- ・配偶者年収150〜155万円:控除額36万円に減少
- ・配偶者年収155〜160万円:控除額31万円
- ・201万円を超えると配偶者特別控除ゼロ
扶養者(夫や妻)の税負担が増える。ただし配偶者の手取りが増えれば世帯全体では増収になることが多い。
150〜201万円の範囲では配偶者特別控除が段階的に減るが、収入増加分の方が大きいケースが多い。iDeCoやふるさと納税で課税所得を調整することも有効。
201万円の壁
配偶者控除・特別控除がゼロになる壁
配偶者の年収が201万円以上になると配偶者控除・配偶者特別控除がすべて使えなくなる
- ・配偶者年収が201万円(正確には201.6万円)以上で控除完全消滅
- ・扶養者の課税所得が38万円増加(配偶者控除分)
- ・扶養者の税率20%なら約7〜8万円の増税
- ・この壁を超えると「完全に独立した納税者」として扱われる
201万円超になると扶養者が受ける配偶者控除・特別控除がなくなり、扶養者の税負担が増える。ただし配偶者の収入も大幅増のため世帯全体では多くの場合プラス。
201万円を超えたら思い切って収入を増やす方向にシフト。収入に比例して手取りが増える水準になる。
⚠️注意!「手取りが逆転する」危険ゾーン
年収が増えても手取りが一時的に減る「逆転ゾーン」が存在します。特に社会保険の壁(130万円前後)で起こりやすく、 この範囲の年収になる場合は慎重に対応が必要です。
130万円の壁(社会保険扶養から外れる)が発生する範囲。国保・国民年金の負担が突然増えるため手取りが大幅減になりやすい。
配偶者特別控除が逓減し始め、扶養者側の税負担が増えてくる。世帯合計手取りは概ねプラスだが意識しておくべきゾーン。
社会保険加入義務が発生するボーダー(51人以上企業)。保険料天引きで手取りが減る。ただし将来の年金は増える。
💼フリーランス・副業の場合の年収の壁
🏠 フリーランス(個人事業主)の場合
- ①給与所得控除がないため、基礎控除58万円のみ。事業所得58万円超から課税(青色申告65万円控除使用で事業収入123万円相当まで節税可能)
- ②130万円の壁は別途確認。配偶者の扶養に入っている場合は事業収入でも130万円基準を適用
- ③経費を引いた「所得」で判定。収入が130万円でも経費50万円なら所得は80万円
💼 会社員+副業の場合
- ①副業所得が20万円超で確定申告が必要(所得税)。住民税は金額を問わず申告が必要
- ②配偶者控除への影響はない。会社員本人の副業収入が増えても配偶者控除は配偶者の収入で判定
- ③青色申告で節税。副業が事業所得と認定されれば65万円控除が使える
❓よくある質問
- Q. 年収の壁が103万から123万に変わったのはなぜ?
- A. 2025年分(令和7年分)から基礎控除が48万円→58万円に10万円引き上げられ、給与所得控除の最低額も55万円→65万円に10万円引き上げられました。この2つの控除の合計が123万円(58万+65万)となったため、所得税がかからない年収の上限が103万円から123万円に変わりました。ただし社会保険(130万円の壁)は変更されていません。
- Q. 130万の壁と123万の壁は別物?
- A. はい、全く別の仕組みです。123万円の壁は「所得税・住民税がかかり始める年収」(税金の壁)で、2025年改正で103万から引き上げられました。130万円の壁は「社会保険(健康保険・年金)の扶養から外れる年収」(社会保険の壁)で、こちらは2025年改正では変更されていません。130万円を超えると自分で国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。
- Q. 年収の壁を超えるとどれくらい損するの?
- A. 「損する」かどうかは壁の種類と収入額によって異なります。130万円を1円でも超えると国民健康保険・国民年金の負担が年間約30〜50万円増える可能性があります。ただし収入が増えれば最終的には手取りも増えることが多く、「手取りが一時的に減る」ゾーンを意識することが重要です。年収の壁シミュレーターで具体的に確認してください。
- Q. 副業・フリーランスにも年収の壁はある?
- A. フリーランス・個人事業主は「給与所得控除」がないため、基礎控除(58万円)のみが適用されます。したがって事業所得が58万円を超えると所得税がかかります(青色申告特別控除65万円を使えば事業収入123万円まで非課税に近づきます)。また副業収入が20万円を超えると確定申告が必要です。
- Q. 年収の壁を意識した働き方の対策は?
- A. ①壁を超えることが確実なら「なるべく収入を増やして壁を大きく超える」②iDeCo・企業型DCで課税所得を下げる③ふるさと納税で住民税・所得税を控除する④配偶者の収入が130万近い場合は社会保険の加入タイミングを確認する⑤勤務先の「家族手当」や扶養手当の条件も確認する、などが有効です。